天体が食われる現象を詳細に観測

休眠中だった超大質量ブラックホールが目を覚まし、星をずたずたに引き裂いて飲み込んでいる様子を、かつてないほど詳細に観測したとする研究報告が22日、発表されたそうだ。
天体が貪り食われる「潮汐破壊」として知られるこの現象は、恒星から剥ぎ取られたガスがブラックホールの中心付近にある渦の中で回転する際に放射される高エネルギーのX線の反射によって検出されたという。研究成果は、英科学誌ネイチャーに発表されたとのこと。
論文の主執筆者で、米メリーランド大学ハッブル特別研究員のエリン・カーラ氏は、AFPの取材に「不活発なブラックホールから及ぼされる強力な重力効果の観測に成功したのは、今回が初めて」と話しているという。
銀河の中心に存在する、いわゆる超大質量ブラックホールに関するこれまでの科学的知識の大半は、物質を活発に集めて飲み込んでいる比較的少数のブラックホールが得られたものだそうだ。
ブラックホールの約90%は不活発な休眠状態で、近づきすぎたものを飲み込むために時折目を覚ますだけなのだという。恒星がこの不運に襲われた場合、エネルギーと光を渦巻き状に放射して消滅するとのこと。
カーラ氏は、「大半の潮汐破壊は高エネルギーX線波長域ではあまり放射を発しない」と説明する。そして、こうした現象はこれまでに3件しか記録されておらず、「この現象をピーク時に観測でとらえたのは、今回が初めて」と述べた。
現在は不活発な状態となっているブラックホールは、過去に銀河の進化で重要な役割を担ったものであるそうだ。そのため、休眠中のブラックホールが活性化した様子を観測することで、宇宙の形成に関する手掛かりが得られる可能性があるという。
ブラックホールの大半が休眠状態だというのは知らなかった。それにしても、ブラックホールは眠ったり星を貪り食ったり、げっぷしたりまばたきしたりと、まるで生き物のようだな。